彼女は夢遊病者のような足どりで部屋を横切ると、田舎風の大きな衣裳タンスのところまで歩み寄り、シモーヌの耳もとになにごとか囁いてから、その中に閉じこもってしまった。
自慰を繰り返したくて矢もたてもたまらず、家へ駆け戻った。そして、翌る日の午後は、眼のふちにひどい隈をこさえていた。シモーヌは私の顔をまじまじと見つめ、とつぜん私の肩に顔を埋めると、真剣な口調でこう言うのだった。「あたしをおいてきぼりにして独りですましちゃいや。」